1日でルービックキューブをマスターする ~記憶力向上術~

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アドベントカレンダー18日目です。

エコモットの技術ブログをご覧いただきありがとうございます。
経営企画部で営業企画を担当する蜂谷と申します。

アドベントカレンダー企画を会社全体で盛り上げるために、開発担当ではありませんが参加しています。

技術的な投稿は開発担当に任せるとして、私は「技術者にも役立つ記憶術」について、自身の経験をもとにルービックキューブを例に書いてみたいと思います。

まずは簡単に自己紹介しますと、エコモットの創業から間もない9年以上前に、当社の遠隔監視カメラ「ミルモット」のサービスを開発するに当たり、Webアプリケーション構築担当として入社した元HTMLコーダーです。

専門はHTMLとCSSですが、Webサイト制作に絡むJavascriptやPHP、CGIなどもある程度理解しているつもりです。
IllustratorやPhotoshopも使えるので、当社に技術者が増えてくるに連れて、当社の各種Webサイトやカタログ・パンフレットなどの制作にシフトし、いろいろ経験させてもらいながら今に至ります(大幅に端折りました)。

そんな私がルービックキューブをマスターしたのは、今から半年ほど前のことです。
とある社員が自前のルービックキューブを持ち込んで会社の共有スペースで誰でも使えるようにしたことがきっかけでした。
過去のブログに写真が出ています。3×3のカラフルなスタンダードのものです。その後2×2やミラータイプも持ち込まれました)

記憶術その1:概要を覚える

生まれて初めて触ったルービックキューブ。最初は解き方の手順が存在することすら知らなかったのですが、持ち込んだ社員以外にも何人か解ける人がいて、自分もできるようになりたいと思い、はじめにやったことは「ネットで調べる」。まあ王道ですね。

私が参考にしたのは「パズルネット智慧:ルービックキューブ攻略法(以下「攻略法」)」というサイトです。

攻略法ではルービックキューブを斜めに持ち、上面・左側面・右側面の3面が見える状態で解く方法を解説されていました。
手順はいくつかにセクション分けされており、まずはその大まかな流れ(概要)を覚えることから始めました。攻略法から引用すると以下のとおりです。

  1. 一面を揃える
  2. 側面二列目を揃える
  3. 背面十字を作る
  4. 背面四隅の色の組み合わせを揃える
  5. 背面の一隅だけ色が揃った状態にする
  6. 背面四隅を揃える
  7. 最後の仕上げ

図の引用は控えますが、字面だけではなく視覚的なイメージも交えると記憶力が高まります。

今回のように何かの手順を覚える場合は、可能な限り手順に沿って実際に解いてみる、つまり体験することでより記憶は定着すると思います。
というのも、実際に解いてみると「自分にとって分かりやすい部分」「簡単にさらっと書いてあるが自分には分かりにくい部分」みたいなことを知ることができ、どこに重点を置けばいいかを独自に定めることができる(=自分なりの手順にアレンジできる)からです。

私は世界の国名・首都名も記憶しているのですが、アジア・ヨーロッパ・旧ソ連・アフリカ・北中米・南米・オセアニアと、どの大陸に属しているかという情報(概要)も一緒に覚えるとそれが思い出す際のヒントにもなるため、本来覚えたいことにさまざまな補足情報(概要)も付け加えるというのは重要だと思います。

記憶術その2:意味付けする

ルービックキューブの大まかな手順(概要)を覚えた私は次に、最初の手順である「一面を揃える」にチャレンジすることにしました。

直感的には「まだ揃えている面がないので、他の面に及ぶ影響を気にすることがない分、簡単にできるだろう」と思っていたのですが、何も揃っていないということは規則的なところが一つもないので、揃えるまでのパターンが一番多く、意外にも苦戦したセクションでした。

手順を進めていくと分かるのですが、ある程度揃えていくと規則を当てはめやすくなるため、揃えるまでのパターンが大きく絞られ、覚えやすくなります。

そんなわけで、たくさんあるパターンを覚えるために、私はその手順がどういう目的で行われているかを分類することにしました。無味乾燥と感じた手順に、自分なりの意味付けする、ともいえるかもしれません。

その結果、9パターンにも及んだ手順は「すでに揃えた他のブロックが邪魔なので、それらをよけてから目的のブロックをはめる」「目的のブロックを迎え入れるために、そのブロックを逃がしてから迎えに行く」のどちらか二つに意味的に集約されることが分かりました。

先日、歴史の教科書から坂本龍馬が消えるかもしれないなどとニュースになった高大連携歴史教育研究会の案は、個別の用語よりも歴史の大きな流れ(歴史的事実の背景・意味)に重点を置いて学ばせるべきだという趣旨だそうですが、意味を捉えるというのは記憶を定着させる重要なポイントになります。

そして、意味を捉えるためには「身近なものに置き換える」というのも一つの方法で、例えば壬申の乱も応仁の乱も、要は壮大な「兄弟げんか」と置き換えることで、私の場合は理解が深まりました。

記憶術その3:リズムに乗せる

さて、ルービックキューブの話に戻しましょう。
攻略法ではここから、最初に揃えた一面を底面に据えて手順が進行しており、上面を「背面」と表現していますが、このブログでは「上面」と書くことにします。

攻略法の「一面を揃える」をマスターした私は、次に手順どおり「側面二列目を揃える」に取り掛かることにしました。

3×3のルービックキューブは各面の中央のマスが固定されています(サイコロのように表裏の関係も決まっているのですが、ここでは省略します)。
そのため、二列目で実際に揃えるのは中央のマスを除いた左右2マスずつ×4面=8マス…と言いたいところですが、左右のマスは隣り合う面のマスと同じブロック上に配置されているので、4ブロック揃えるというのが正解です。

この4ブロックは、最初の手順での配置が上面の左右どちらにあるかという違いを除けば、全て1通りの手順で揃えることができます。つまり、右側に配置された場合の手順を覚えれば、左側に配置された場合の手順は左右を入れ替えるだけで実現することができます。

攻略法の「側面2列目の揃え方」では右配置を「パターン1」、左配置を「パターン2」、そして二列目の他の場所に配置されている場合を「パターン3」としていますが、パターン2はパターン1の動かす面・動かす方向を左右入れ替えたもので、パターン3はパターン1か2を2回繰り返すものなので、私はパターン1だけを覚えることにしました。

このセクションの手順は、パターン3を除けば8手で完了します。
この「8」という数字は4の倍数で、1手ごとにリズムを刻めば、日本人になじみ深い4拍子に乗せることができます。

最初は後述する別の記憶術を当てはめて覚えたのですが、なれてくるとリズムに乗せたほうが自然に入ってくる(記憶が定着する)ことが分かりました。私の場合、10分も繰り返せばバッチリだったので、そんなに難しくないと思います。

私は円周率もかなり暗唱できるのですが、実はこれも4拍子のリズムで覚えました。「3.14」「1592」「6535」「8979」といった感じです。
最初の「3.14」は4拍子のうち2拍を整数部、小数点に使っているので、私が覚えた桁数は4の倍数ではなく、そこから2差し引いた小数第222位までなのですが、そこまでならスピード暗唱で私の右に出る者はいないと思います(笑)。あまりに速いとさすがに噛みますが…。

とにかく、リズムで記憶するメリットは、ビートを速めれば覚えたことを素早く正確に再現できるということですね。

記憶術その4:言語化する

攻略法のセクションはここまでまだ2/7しか消化していませんが、残る5つのセクションはここで紹介する記憶術で一気に覚えました。
ここまででルービックキューブの全ブロック中2/3が揃っているので、規則を当てはめやすくパターンもかなり絞られており、残す手順はまだ長いですが、この先は意外に早く覚えられました。

小見出しには「言語化する」と書きましたが、どういうことかというと、攻略法に描かれている図の「動かす面」「動かす方向」を言葉に置き換えたのです。

記憶を定着させるには、よく「映像化する」という手法が紹介されるのですが、ルービックキューブの場合、実際に動かしている映像、あるいは動かす手順を描いた図を見ても、色の配置は変われどずっと立方体のままなので、あまり変わり映えがせず、そのまま活用してもなかなか定着しないと思います。

そこで私は、攻略法に描かれた図を覚えるのではなく、図が示している手順を言葉にしてみました。名前を付けた、というほうがしっくりくるかもしれません。

攻略法の基本は、ルービックキューブを斜めに持ち、上面・左側面・右側面の3面が見える配置をキープすることです。
そして上面(水平面)は右回し(ここでは手前側を起点にするので反時計回り)か左回し(時計回り)、側面(垂直面)は上回し(起点になるブロックが上に持ち上がるように回す)か下回しのどちらかしかなく、基本的に90°回すことを前提としています。

このことを念頭に、上面は英語で「Upside face」なので「U」という文字を当てはめました。同様に、左側面は「L(Left)」、右側面は「R(Right)」としました。
また、回す方向もそれぞれ、右回しなら「R」、左回しなら「L」。上回し、下回しはそれぞれ「U」「D(Down)」としました。

そして、日本語では「面を回す」という語順なので、例えば「上面を右回し」する場合は、上面の「U」と右回しの「R」をつなげて「UR」と定義しました。
こうすると、基本的な手順は「UR」「UL」「LU」「LD」「RU」「RD」のいずれかに当てはまります。

攻略法では、キューブの持ち方をキープする都合上、実は見えていない後ろの側面を回す手順もあるのですが、これも左右どちらかに分かれるので、後ろを示す「B(Back)」を加えて「BLU」「BLD」「BRU」「BRD」としました。
最終セクションでは二列目(中段の水平面)を回す手順も加わるので、真ん中を表す「M(Middle)」を使って「ML」「MR」と定義しました。

あと、時折180°回す手順も出てくるのですが、これは90°の基本手順が2回続いているとも解釈できるので、例えば「URUR」としました。

ここまでの定義は「言語化」というより「記号化」に近いのですが、記号のままではやはり覚えにくいので、この記号を「言語化」することにしました。
要は、それぞれの記号(文字の組み合わせ)から連想される単語を当てはめたわけです。

「UR」からは「URban(都市の)」という英単語を連想しました。「UL」は「ULtra(ウルトラ)」。「LU」「LD」「RU」「RD」はそれぞれ「LUx(ルクス。照度の単位)」「LeD(LED)」「RUle(ルール)」「ReD(赤)」としました。

同様に「BLU」「BLD」「BRU」「BRD」は「BLUe(青)」「BuiLD(建てる)」「BRUsh(ブラシ)」「BiRD(鳥)」。
「ML」「MR」は、英単語を考えるのが面倒になってきたので、それぞれ「群れ」「村」と覚えました。「M」は「ム」と読んで、レフトの「レ」、ライトの「ラ」をつなげた格好です。

こうすると、例えば攻略法の第3セクション「背面十字部分の揃え方」は、以下の手順(言語)の繰り返しで成立します。

赤・都市・ルクス・ウルトラ・LED・ルール
(RD・UR・LU・UL・LD・RU)

言語化すると、こうした単語の並びに少なからずストーリーが生まれます。私がここからどんなストーリーを想像したかは省略しますが、ストーリーが浮かぶとそれを映像にすることもできます。
今回私はそこまで踏み込まずとも手順をマスターできたので「映像化する」という記憶術は使いませんでしたが…。

最後に

私はこうした記憶術を活用して、1日で3×3のルービックキューブをマスターしました。
1分以内、30秒以内といったタイムアタックをするには、また別の手順が存在するのですが、基本的にはここで紹介した記憶術で覚えられるでしょう(私は今回で満足したのでチャレンジしていませんが)。

学生時代、受験対策の一環として、私はほかにもいろんなくだらないことを覚えましたが、今でも大抵は記憶しています。
8000m級の山14座の名前・標高・西から数えたときの順番とか、8桁電卓で表示できる2の累乗とか、地理や数学に関することが多いですが、記憶が定着するといつまででも覚えていられるものです。

ここまでずいぶん偉そうに書いてきましたが、実際のところ、本当に皆さまの役に立つ内容かは分かりませんし、ブログネタを捻出するのに駆られて勢いで書いただけのものです。

優れた記憶の専門家ならたくさんいらっしゃいますし、私自身が優れているとも思っていません。本当に優秀なら、最古参社員なのにこんなにのほほんとやっていないはず(涙)。

でも最後に、記憶力を高めるコツを端的に言わせてもらうなら、私は「興味を持つ」そして「工夫する」、これに尽きると思っています。

さて、これを仕事にどう生かしたらいいものか。私の長年の課題です。。

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