【GR】遠隔臨場の新試行要領(案)の要求仕様ついての考察【令和3年度版】

こんにちは!
CST事業部です。

建設DXの必要性が叫ばれる中、当社も大きな期待を寄せる遠隔臨場の取り組みに、さらなる盛り上がりをみせている昨今です。

皆様におかれましても、遠隔臨場の実施を検討される場面も多くなってきているのではないでしょうか?

そんな中、製品内容と同じくらい多くのお問い合わせをいただくのが、以下の質問です。

令和3年度の試行要領(案)。仕様は満たしているの?

こちらのご質問について、本日はお答えしていきたいと思います。

それではさっそくいきましょう。

令和3年度 試行要領(案)を昨年のものと比較してみます

令和3年3月に施行された「令和3年度 遠隔臨場の試行要領(案」はもうご覧になりましたでしょうか?

令和2年度に比べて、その仕様は緩和されているように見受けられますが、具体的に比較してみましょう。

仕様 令和2年度 令和3年度
解像度 FullHD(1080p) VGA(480p)
フレームレート 30fps以上 15fps以上
転送レート 平均9Mbps 平均1Mbps
通信速度(新規追加)  下り最大50Mbps、上り最大5Mbps
録画 現場技術員の場合は必要 スナップショットでOK

このように変化しています。
通信速度はともかく、他の仕様については多少落ち着いた数値となりました。

さて、この最新の試行要領(案)に、当社の「遠隔臨場システム Gリポート」は対応しているのでしょうか。

令和3年度試行要領(案)に、Gリポートは!?

対応しています!

Gリポートを実際に動作させて検証を行ったところ、以下のような結果になりました。

<弊社試験結果>

  • 試験場所:札幌市内
  • 解像度 :VGA(FullHD・HD・VGA・QVGAの4種から選択可)
  • フレームレート:平均15fps
  • 転送レート:平均1Mbps
  • 通信速度:下り52Mbps、上り15Mbps(速度計測サイトによる計測)

全ての項目において、試行要領(案)のスペックを満たしております!
お客様各位におかれましては、まずはご安心してご相談・ご用命ください。

いますぐ詳細をみる

さて、本日の話はここからが本題です!(ぜひ最後までご一読いただけますと幸いです。)

上記試験結果による回答のみでは、各社のシステムを比較検討される立場の皆様にとって、肝心な疑問にお答えできていません。
皆様のモヤモヤはおそらくこの部分に集中していると思います。

フレームレート、転送レート、通信速度

弊社でも、お客様からこちらに関するご質問は多く寄せられ、皆さま異口同音に
「本当にこの仕様上の速度が出せるの?」とおっしゃられます。

まずは、準拠すべき基準である試行要領(案)の記載を確認してみましょう。

とありますね。

これがどういう性質のものであるか、イメージできますでしょうか?
フレームレートと転送レートは、ざっくり以下のようなものとご理解ください。

  • フレームレート:1秒あたりの画像のコマ数(例:1fpsだと1枚/秒)
  • 転送レート:1秒間でデータを伝送する転送量(数が大きければその分早く沢山送ることができる)

では、上記の試行要領(案)はこの仕様を示すことで、
「このフレームレートと転送レートを常に厳格に維持するように」と要請しているのでしょうか。

これは “「私見による解釈」です” と前置きをした上で、答えは “No” だと思います。

通信仕様を常に厳格に満たすことはできるのか

先ほどのGリポートの試験結果ですが、たしかに仕様を満たしています。
しかしながら仕様を「常に厳格に」満たすことができるかといえば、それは不可能と言わざるを得ません。

以下のグラフは、ある日計測したGリポートのフレームレートと転送レートの計測結果です。

  • フレームレート

 

  • 転送レート

フレームレートは20~30fpsを推移し、転送レートは1Mbps程度を行ったり来たり…。
黙っていてもこのように刻一刻と変動するものであり、決して一定にはならないのです

「通信速度」も無論、一定ではありません。

これはGリポートや当社の製品固有の事実ではなく、
実は地球上で利用されているあらゆる通信デバイスが同じ条件のもとで動いているんです。

スマートフォンなどを扱う通信キャリアのWEBサイトなどで、こういった表記をご覧になったことはありませんか?

通信速度はベストエフォート型のサービスであり、技術規格上の最大値として表記しています。実使用における速度とは異なる場合がございます。

通信インフラを提供する通信キャリアでさえも、通常の条件下では通信の状況を「常に厳格に」維持するのは困難なのです。

それではなぜフレームレートや転送レートが変動してしまうのか、ここからご説明していきます。

フレームレートや転送レートが変動する理由

前述のグラフでお分かりのように、フレームレートや転送レートは秒単位で変わります。
まずデータの流れを言葉で説明するとこうです。

映像・音声データが
 ↓
モバイル通信で現場から送信され、
 ↓
キャリアの基地局を経由し、
 ↓
クラウドサーバーにそのデータが送られ、
 ↓
さらに基地局を経由し、
 ↓
各種ブロードバンドなどに乗っかって……
 ↓
見る人のPCにようやく届く!

という流れです。
経由するネットワークが沢山あるので複雑ですね。

言い換えると、テレビ会議など目で見て分かる形で通信接続されている裏には、様々なインフラを経由して接続が成立している、という事情があるため、通信は一定にはならないのです。

外部環境による影響

上記「フレームレート」「転送レート」「通信速度」も、それらインフラを取り巻く外部環境によって当然ながら変化するということなんです。

映像・音声データの滑らかさや鮮明さ、遅延のある・なしには、主に以下の要素が絡んできます。

  • あるエリア内でインターネット通信が行われている多さ(通信トラフィックの多寡)
  • 閲覧者側のネットワーク環境
    (有線・無線・接続数の多い少ない、ブロードバンドの種類、帯域の限度など)
  • ハードウェアの性能(映像のデジタル変換、処理性能、対応バンド)
  • 通信の速度(キャリアプラン・帯域)
  • サーバの処理速度(利用者の登録数とデータ処理量、その他チューニング)
  • 電波の良し悪し(通信キャリア基地局もしくは地中や建物内などの環境に依存)

このようなシステム以外の要素が加わり、上記レートと転送速度は如何様にも変わるのです。
良いときもあればダメなときもあり、それはもう秒単位でガンガン変わります。

時間帯によって速度の影響は受けるのか?

残念ながら受けます。とにかく変動しまくりなんです。
こちらをご覧ください。


出典:総務省情報通信政策研究所「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

説明しやすいように総務省のサイトから引っ張ってきたデータです。
オレンジ色のグラフがインターネットの利用者割合の推移となります。
ネットの混雑時間帯は「早朝と昼と夜」です。
このとき、ある地域でいずれかの時間帯に“敢えて”ぶつけて遠隔臨場を実施した場合、
もしかしたら滑らかに映らない可能性があります。

逆に空いている時間帯は何時でしょうか。10時台と14時台ですね。
決して自賛するわけではないのですが

「映像が汚くて良く見えない」
「全然つながらない」

といった声がほとんど聞かれないということは、製品の性能はさることながら、
この時間帯で検査を実施されるケースがもしかしたら多いのではないか?と思ったりもします。

参考にしかなりませんが、回線速度の計測について時間帯を意識して実施してみました。

  • まず21時45分頃に計測した結果

  • 次にその約2時間後、23時30頃に計測した結果

 

ピークの21時・22時台を過ぎたせいなのか、23時台の計測結果は21時台と比べて回線速度が少し速く出る結果となりました。

環境は様々なので断定こそできないものの、こういったこともネットワークの良し悪しに変化をもたらす要因の一つとしてご認識いただけたら幸いです。

結局のところ、試行要領(案)はどう解釈すればいいの?

ここまで長々と込み入った話をしてまいりましたが、外部環境によって「フレームレート」や「転送レート」、果ては「通信速度」までもがリアルタイムに変動することは、概ねイメージしていただけたのではないかと思います。

このように一定になり得ない要素があるにも関わらず、シンプルに「〇〇以上」と要領に記載されている現状においては、
「〇〇以上じゃないと遠隔臨場では使ってはいけないんだ」とご認識されるのも致し方ない部分はあります。

しかし、試行要領(案)には以下の文言があることをご存じでしょうか。

4.2 留意事項
(5)本要領(案)によりがたい場合は、適宜受発注者間で協議すること。

これは私見ですが、この“協議”という文言が実務上の肝となるのではないかと感じています。

実際に使用する機器が試行要領(案)の仕様を満たしているかどうか、
お客様自身で確認・証左を得られない場合は
臨場に代わり、確認や検査・立会を実施できうる機器なのかどうか
というポイントが重要になっていきます。

私達は、このように「理解・解釈」によって受け取り方が分かれてしまう現在の状況に配慮しながら、お客様のお悩みの解決に向けてきっとお役に立てるものと思います。

弊社では現場で培った豊富な知識や経験がございますので、お悩みやご不安なことなどございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

最後に…

最後までお読みいただきありがとうございました。
現場の生産性向上に確実に寄与するとともに、交通事故や感染リスクの低減が
この遠隔臨場を通じて実現されることを願ってやみません。

弊社製品Gリポートのウリは「操作が簡単」「接続が早い」「映像がキレイ」の3つです。
好評につき品質面・コスト面においてもきっとご満足いただけるものと思います。
皆さまの工事においてもぜひ導入をご検討ください。
 

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