複合気象センサーで現場の気象変化を監視する

皆さんこんにちは!
製品開発部エンベデッドグループの本間と申します。

弊社では、様々な計測機器を接続することで、計測データを専用のクラウドサーバーに自動的に
送信し、パソコンやスマートフォンからいつでも確認できるようにする「クラウドロガー」を
開発しております。

クラウドロガー

今回は、このクラウドロガーに「複合気象センサー」を接続した、現場の様々な気象を計測・監視
する気象計測システムをご紹介いたします。

複合気象センサーは1台で複数の気象を計測できるセンサーです。
中でもヴァイサラ社の複合気象センサー(WXT536)は、気圧・温度・湿度・降水・風向・風速の
多くの気象データを計測することが可能です。

弊社製品の「クラウドロガーLTE」は、このWXT536を接続することが可能で、
計測した気象データのクラウド保存、各気象データに対する監視(警戒値設定による警報)を
実現するシステムを構築することができます。

システム構成

クラウドロガーLTEとWXT536による気象計測システムの構成を以下に示します。

クラウドロガーLTEは、1分周期でWXT536から各気象データを取得し、クラウドサーバへ送信・保存
します。
保存された気象データは、弊社クラウドサービスの「FASTIO」へアクセスすることで閲覧可能です。

またFASTIOの「警報レベル・イベント設定」機能により、気象データ毎に警報発生の為の警戒値を
設定できます。
各警報の発生時は、管理者への警報メール送信や、現場のLED文字表示板・パトランプを制御すること
ができ、この機能により管理者や現場作業者に対して気象異常を警報することが可能です。

クラウドのデータ表示

クラウドサーバへ保存されるWXT536の計測データは以下の通りです。

データ名 表示単位
気温
湿度 %
瞬間最小風速(過去10分) m/s
平均風速(過去10分) m/s
瞬間最大風速(過去10分) m/s
平均風向(過去10分)
気圧 hPa
雨量 mm/1min
降雨時間(毎分)
降ひょう量 衝突回数/cm2
降ひょう時間
供給電圧 V

保存された気象データはクラウドで参照でき、グラフ表示やCSVダウンロードが可能です。
以下はグラフと直近データを表示するサマリー画面です。

表形式で測定日時毎のデータを表示することもできます。
これらの表データはCSV形式でダウンロード可能です。

おわりに

今回は、クラウドロガーLTEを活用した、センサー1台で様々な気象情報を監視するシステムを
ご紹介させて頂きました。
気温や雨量、風速といった様々な観点で、現場の危険防止に有効活用できると考えております。

また昨今、世界各地で大雨・暴風・干ばつなど異常気象が多発している状況と見受けられます。
日本においても、今夏は記録的豪雨による洪水・土砂崩れが各地で発生しました。
環境問題により異常気象は多様化しておりますが、様々な気象に対する分析・監視のためにも、
本システムは活用していけるのではないでしょうか。