衛星測位システム(GNSS)についての簡単なおはなし

みなさんこんにちは、デバイスソフトウェア開発部の島崎です。

 

今日はスマホやカーナビなどの位置情報で日常的に使用している衛星測位システムについて、

簡単にさわりだけ説明していこうと思います。

またエコモットの製品がどの衛星情報を利用しているかもまとめています。

 

最後までご覧いただけますと幸いです。

衛星測位システム(GNSS)とは

アメリカのGPSなどに代表される人工衛星から電波信号を受信して

位置情報や時刻、速度などを測定するシステムです。

日本のみちびきもこの衛星測位システムの一つです。

 

一般的に4つ以上衛星を測位できると位置情報の特定ができるようになりますが、

上空にある衛星数が多い方が位置情報などの精度は高まります。

内閣府のみちびきのサイトで衛星配置表示アプリ(GNSS View)というアプリも公開されており、

現在の上空にいくつ衛星測位システムの衛星があるか調べることができます。

こちらは10月6日の12:00に札幌上空にGPS、GLONASS、みちびき(QZSSがみちびきです)の

衛星がいくつあるかを表示させたものになります。

青、緑、ピンクの点が衛星なのですが、肉眼では見えませんがこんなにたくさんの衛星が浮かんでいます。

GNSS ViewにはMask Angleというパラメータがありますが、これは地表からの仰角何度の衛星を表示させないというものです。

何も無い大平原だと0°で良いのですが建物や山などがあるのを考慮すると大体15~20°が実際の衛星数となることが多いです。

 

各国の衛星測位システム

以下が主な衛星測位システムの一覧となります。

全世界向けがGPS、GLONASS、Galileo、北斗衛星導航系統

地域向けがみちびき、NavICとなります。

  GPS GLONASS Galileo 北斗衛星導航系統 みちびき NavIC 
運用国 アメリカ ロシア EU 中国 日本 インド
衛星数 31機 26機 28機 35機 4機 7機
対応地域 全世界 全世界 全世界 全世界 日本周辺 インド周辺
特徴 全世界で一番使われている衛星測位システム ロシア版GPS、衛星数が不足しがち 民間主導で開始されたシステム 衛星数が一番多く今後も打ち上げ予定あり 日本周辺を8の字に周回している日本特化システム インド版みちびき、インド周辺に特化したシステム

 

日本国内の位置情報を取得する際はGPSだけでも正確な位置を特定するのに不足はありません。

ですがそれにみちびき、GLONASSなど他のシステムの衛星も用いるようにすると

天候や衛星の位置により一時的にGPSの衛星が上空から減る時間帯でも他のシステムの衛星で補完することができます。

特にみちびきは必ず日本周辺の上空に衛星がいるため補完としてはもってこいのシステムとなっています。

 

先ほどのGNSS Viewで今度は10月6日の9:00の札幌上空の衛星数を見てみましょう。

まずはGPSだけ、これだと7個衛星があります。

次にGLONASSだけ、GLONASSはGPSよりも総衛星数が少ないので6個しかありません。

次にGPS+みちびき、みちびきはGPSなどと併用するシステムなので一緒に表示させます。10個になります。

最後にGPS+みちびき+GLONASS、測位可能な衛星数は16個となります。

 

このように複数のシステムを併用して衛星からのデータを受信することが位置情報の精度を上げる手法となっています。

 

エコモット製品の測位システム対応一覧

エコモットの位置情報デバイスやドライブレコーダーの衛星測位システム対応状況は以下になります。

簡易的なデバイスはGPSとみちびき、ドライブレコーダーはそれらに加えGLONASSに対応しています。

端末名 HLP-200 SVL-200 HDL-900 TMX-DM03
カテゴリ ハンディ位置情報デバイス 簡易型GPS端末 通信型ドライブレコーダー 通信型ドライブレコーダー
対応システム GPS
みちびき
GPS
みちびき
GPS
みちびき
GLONASS
※GLONASSは外付けアンテナ時のみ対応
GPS
みちびき
GLONASS

 

終わりに

日常生活でも知らないうちに利用している衛星測位システムについて説明させていただきました。

スマホの地図やカーナビを見るときに宇宙からデータを受け取ってると思うと少しロマンを感じるかもしれません。