PINN

偏微分方程式を保持したニューラルネットワーク


こんにちはデータアナリティクス部のフバチ(Robert Hubacz)です。以前、偏微分方程式(PDE)を解くための特別なツールである「物理情報ニューラルネットワーク(PINN)」について紹介しました。PDEは自然現象や科学的イベントを理解するのに役立ちます。PINNは少量のデータやデータがなくても機能するため、多くの研究者が関心を持っています。しかし、PINNは一度訓練されると、状況が変わった場合には再訓練が必要です。例えば、パイプ内の水の流れが少し変わるだけでも、PINNを再訓練しなければなりません。一方、未知の状況を予測することは、ニューラルネットワークが作られた主な理由の一つです。

そこで、このブログではPDEを解決するために設計された別のニューラルネットワークについて紹介したいと思います。これらのネットワークは、解決を目指すPDEの構造を反映するように設計されています(Sharma et al., 2023)。具体例として、PDEを保持したニューラルネットワーク(PPNN)というネットワークです(Liu et al., 2024)。
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INTRODUCTION TO PHYSICS-INFORMED NEURAL NETWORKS

はじめましてフバチと申します。私は、もともと化学エンジニアで、日本に来る前は、ワルシャワ工科大学(ポーランド)で20年ほど働いていました。私は2021年5月からエコモットのデータアナリティクス部に勤務しています。エコモットで働くことで、異常検知、点群超解像、画像ノイズ除去といった問題に対するAI手法の応用について、新たな経験を積むことが出来ました。これらの問題はすべて、私にとって非常に興味深いものでした。また、私自身、化学工学の課題にAIツールを導入することにも興味があり、最近、物理情報に基づくニューラルネットワーク(PINN)について調べています。
このブログでは、私が調査したPINNについて、簡単な実験を交えて紹介したいと思います。データ分析やAI活用に興味がある方から反応を頂ければ嬉しく思います。

PINNは、物質、エネルギー、流体などの輸送現象のシミュレーションを可能にします。このようなシミュレーションは、化学反応におけるプロセス理解には欠かせません。
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