React Native最新SDK対応:1月と8月がベストな理由


こんにちは!
クラウドソリューション開発部の大川です。

今回は、React Native CLIでクロスプラットフォーム開発を行う上で避けては通れない、「iOS/Androidの最新SDKへの対応タイミング」について紹介します。

「最新OSが出たからすぐに上げなきゃ!」と焦る必要はありませんが、ストアの公開要件の更新に間に合わせるための「余裕を持ったスケジュール」を知っておくことが重要です。

1. はじめに:なぜ対応時期を知る必要があるのか?

React Native(以降RN) で開発したクロスプラットフォームなアプリを運用しているかどうかに関わらず、毎年AppleとGoogleから「最新のSDKに対応してください」という通知が届きます。
これらに対応しないと、アプリの新規公開やアップデートができなくなる(リジェクトされる)ため、計画的なアップデートが不可欠です。

今回は、過去の統計と各プラットフォームの規制スケジュールに基づいた、RN開発者にとっての「ベストプラクティス」をまとめました。

2. プラットフォーム別:SDK更新の「契機」と「デッドライン」

iOSとAndroidでは、最新SDKへの対応を迫られるタイミングが異なります。
ポイントは、OSのリリースから制約がかかるまでの「猶予期間」の差です。

項目 Android 側(SDK対応) iOS 側(Xcode対応)
主な制約(トリガー) Google Play ターゲットSDK要件 App Store 最新Xcode必須化
ストアの強制期限 翌年8月31日 翌年4月下旬
OSリリースからの猶予 約1年間 約半年間
主な対応内容 最新targetSdkVersionへの適合 最新Xcodeへの対応・最小OS要件引上げ

3. 過去3年の統計から見る、RNの対応推移

RNが最新SDKを「デフォルト」として採用するまでには、一定の法則があります。

🤖 Android:ストアの強制力に合わせて追従

AndroidはOSリリースから強制まで約1年の猶予があるため、RN側も「OSが出てから2ヶ月ほどかけて、安定したSDK対応版を出す」という、少し後ろにずれたスケジュールになる傾向があります。

OS(APIレベル) 正式リリース RN CLI デフォルト化 採用RNバージョン
Android 14 (SDK 34) 2023年 10月 2023年 12月 0.73
Android 15 (SDK 35) 2024年 9月 2024年 10月 0.76
Android 16 (SDK 36) 2025年 6月 2025年 8月 0.81
Android 17 (SDK 37) 2026年 4〜6月(予測) 2026年 8月頃 0.87頃 (予測)

🍏 iOS:ユーザー移行とツール制限に合わせて先行

iOSは猶予が半年と短く、ユーザーの移行も早いため、RN側は最新OSが出る前からベータ版で対応し、年明けには最新Xcodeを標準化するという、前のめりなスケジュールになります。

OSバージョン 正式リリース RN CLI デフォルト化 採用RNバージョン
iOS 17 2023年 9月 2023年 12月 0.73
iOS 18 2024年 9月 2024年 10月 0.76
iOS 26 2025年 9月 2025年 12月 0.83
iOS 27 (Xcode標準化) 2026年 9月 2027年 1月頃 0.90頃 (予測)

4.最新RNが解決する「OS仕様変更」への対応

SDKのバージョン(targetSdkVersion)を物理的に上げなければならない期限(デッドライン)は先であっても、AndroidやiOSのOS自体は毎年進化し、「挙動の変更」が発生します。

例えば、Android 15/16では「エッジtoエッジ(画面の端まで表示を広げる)」機能がデフォルト化されました。ここで重要になるのが、「RNの定例アップデート(8月)を待つか、それより前に先行対応するか」という判断です。

🤖 Android側はいつ「先行対応」すべきか?

Androidの場合、OSの正式リリース(秋頃)に先駆けて、3月〜5月頃にはベータ版での仕様が見えてきます。このタイミングで、以下の2つのケースを切り分ける必要があります。

先行対応が必要なケース(3月〜5月頃)

  • 新OSの仕様変更が、「targetSDKの値に関わらず、新しいOSを積んだ端末ですべて強制適用される」破壊的変更である場合です。この場合、8月のRNアップデートを待っていては、OSリリース直後にアプリの表示崩れやクラッシュが発生してしまいます。そのため、現在の古いRNバージョンのまま、ネイティブコードでオプトアウト(新機能を一時的にオフにする)設定を書き加え、先行してリリースを行う判断が必要になります。

8月の定期メンテナンスまで待てるケース

  • 仕様変更が「最新SDK(例:SDK 37)をターゲットにした場合にのみ有効になる」場合や、現行のRNバージョンでも動作に支障がない場合です。この場合は、8月にリリースされる最新SDK対応済みの安定したRNバージョンへ引き上げることで、フレームワーク側に挙動の差分を吸収させ、基盤ごとクリーンにアップデートするのが最も低コストです。

5. なぜ「1月」と「8月」がベストタイミングなのか?

現在、RNは約2ヶ月毎の頻度でメジャーアップデートが行われています。(参考:React Native Versions
このサイクルの中で、以下の2点がRN開発者にとっての「定例メンテナンス」の時期となります。

✅ iOS対応は「1月」が狙い目

9月のOSリリース直後は、Xcodeのバグが多く、サードパーティ製ライブラリの対応も追いついていません。
1月まで待つことで以下のメリットがあります。

  • Xcodeのマイナーアップデートが出て安定している。
  • 4月のビルド制限(最新Xcode必須化)を回避するための準備期間が十分に取れる。

✅ Android対応は「8月」が狙い目

Google Playのポリシー更新が8月末にあるため、RNコミュニティもそれに合わせて7〜8月に大型アップデートをぶつけてきます。

  • 翌年8月の「ターゲットSDK義務化」に適合したテンプレートをそのまま利用できるため、手動設定の手間が最小限になります。

まとめ

これらを踏まえた、2026年度の理想的なアクションプランがこちらです!

時期 ターゲット 主な動き
2026年8月 (RN 0.87想定) Androidメイン

Android 17 (SDK 37) 対応

(ターゲットSDK義務化への適合)

2027年1月 (RN 0.90想定) iOSメイン

Xcode 27 標準化対応

(4月下旬のXcode最新化義務への備え)

「最新版OSを追う」のは大変ですが、今回紹介したサイクルをルーチン化してしまえば、ストア審査のリジェクトに怯えることなく安心して新機能の開発に専念できます。
「警告が出てから慌てて数段階のアップデートをする」のではなく、「ストアの義務化に備える『守り』と、最新OSの挙動に最適化する『攻め』」を両立するために、「1月と8月に定期メンテナンスをする」
これがRN開発を長く続ける一番のコツです!

終わりに

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