デバイスソフトウエア開発部の板谷です。
2026年4月30日のアップデートで、配筋検査ARシステム「BAIAS」に斜め配筋の計測機能が追加されました。
今回は、現場からのニーズが非常に高かった本機能の概要と、実現までの開発エピソードをご紹介します。
斜め配筋とは
斜め配筋とは、ひし形や平行四辺形状に組まれた配筋のことです。
土木分野においては、橋脚と橋台との接合部や法面吹付枠工の施工などに活用されています。
アップデート前のBAIASは、垂直方向の縦筋と水平方向の横筋が直交する配筋にのみ対応しており、斜め配筋の計測はできませんでした。

斜め配筋の計測方法
今回のアップデートでは、従来の「ノーマルモード」を拡張する形で斜め配筋に対応しました。
ノーマルモードにて計測を開始して計測範囲を調整する画面まで進むと、計測範囲の調整メニューに「タテ角度」「ヨコ角度」が表示されるようになっています。
その名の通り、鉄筋に角度を設定するための項目です。
使い方はシンプルで、右側の位置調整パネルを操作してARオブジェクトを実際の鉄筋に合うように角度を設定します。
詳しい計測手順はサポートページでも解説しています。

開発エピソード
ここからは開発エピソードをいくつかお届けしたいと思います。
ユーザーインターフェース(UI)で見ると「タテ角度」「ヨコ角度」の設定項目を追加しただけに見えますが、実は大掛かりな改修になっています。
開発の経緯
「斜め配筋の計測は対応しているのか?」というお問い合わせはBAIASリリース当初から度々いただいていました。
2点間の距離を計測できる重ね継手モードを活用すれば計測できないことはありませんでしたが、もともと鉄筋間隔を計測するモードではないため不便な面が多く、配筋間隔の全体的な検査には不向きでした。
・モードが異なるため、鉄筋間隔を計測するノーマルモードと同じ計測結果が残せない
・鉄筋間隔を計測するモード向けの小黒板テンプレートが活用できない etc…

BAIAS開発チームは昨年7月のUI・UX改善以降計測機能の拡充を進めており、今年の1月には円弧モードをリリースしました。
次の機能拡張としてご要望の多かった斜め配筋対応を進めることとなり、先月ついにリリースすることができました。
鉄筋の角度を考慮したロジック改修
これまでのBAIASは、「鉄筋は必ず直交する」という前提で設計されていました。
例えば鉄筋間隔の計算では、マーカー間を垂直に結んだ距離を鉄筋間隔として扱っていましたが、斜め配筋の場合はその前提が崩れるため、「任意の角度を持つ2線間の距離」を正しく導き出す必要がありました。
数学的なアルゴリズムを角度の有無に関わらず汎用的に動作するよう見直したことで、どのような角度でも正確な数値を算出できるようになっています。

視認性を守るための「描画位置」の再設計
鉄筋に角度が設定できるようになったため、鉄筋番号や間隔ラベルの表示位置の再検討も必要でした。
鉄筋が傾くと、これまで通りの位置にラベルを表示した際に鉄筋と重なったり、どの数値がどこの間隔を指しているのか直感的に分かりづらくなったりします。
そこで、鉄筋番号はマーカーの延長線上に、間隔ラベルはマーカー間の中点の延長線上を初期位置として描画するように調整しました。
ラベルの表示位置については、今まで通り撮影画面で調整することが可能です。

終わりに
斜め配筋の計測に対応したことにより、BAIASが活用できる現場の幅はぐっと広がりました。
長らくお待たせしていたお客様も多かったため、今回のリリースを無事に届けられたことを開発チーム一同、本当に嬉しく思っています。
引き続き、より使いやすいアプリを目指してアップデートを続けていく予定です。
BAIASを今後ともよろしくお願いいたします。
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