こんにちは!
最近は夕飯の献立もAI頼り、SJC共同開発推進室の坂根です。
気づけば毎日AIに相談しています。
生成AI、便利ですよね。
ちょっとした調べ物から、文章作成、コード生成まで、私生活や日々の業務で手放せない存在になってきました。
私自身もかなり活用していて、「とりあえず聞く」という使い方が増えてきています。
ただ、そんな使い方を続けているうちに、ふと違和感を覚えました。
「あれ、なんか思考力落ちてないか…?」 自分で考える前にAIに聞くことが増えたせいか、考えを整理する力や、説明する力が少し鈍っている気がします。
そこで、AIを使って思考を鍛えるトレーニングをやってみることにしました。
通勤時間などのちょっとした隙間時間を使って、2週間ほど続けてみた中での気づきをお話しします。
AIに頼るようになって感じた違和感
AIを使うようになってから、作業自体は確実に楽になりました。
ただその一方で、次の二つに特に恐怖を感じています。
まず、答えを先に聞いてしまう癖がついたことです。 自分で考える前に、とりあえずAIに聞いてしまう。
その結果、思考のプロセスを飛ばして、結論だけを受け取ってしまうことが増えていました。
もう一つは、長い文章を読み、作成する耐久力が落ちていることです。
少し長い説明になると、じっくり読み込む前に「要約して」と頼ってしまう。
また、自分で文章を書くときも、構成を考えながら組み立てるというよりは、断片的に思いついた内容をつなぎ合わせるような書き方になっている感覚があります。
結果として「それっぽいもの」は早く作れるものの、なぜそう考えたのか、筋道立てて説明する力は弱くなっているのではないかと感じました。
自分でそれほど思考していない感覚があるのに、アウトプットだけはそれっぽく整っている、という状態に…。
AIでロジカル思考トレーニングをやってみた
このままではまずいと思い、思考を鍛えるためのトレーニングを試してみることにしました。
とはいえ、特段難しいことはしておらず、AIと対話形式で思考を深掘りする、というシンプルなものです。
その手段として、Googleの生成AI Geminiのカスタム機能である「Gems」を使っています。
💡「Gems」とは?
Gemsは、ChatGPTでいう「GPTs」やClaudeの「Projects」のように、特定の役割やルールをあらかじめ設定しておける機能です。
設定しておくことで、毎回プロンプトを入力しなくても、AIが同じ観点で返答してくれるようになります。
(以前は有料プラン限定でしたが、2026年4月の執筆時点では無料で利用可能です。)
今回、このGemsを使うにあたって、以下のような点を意識してカスタム指示を作成しました。
(※実際のプロンプトは、後半で全文掲載しています。)
問いで深掘りする
答えを与えるのではなく、質問によってこちらの思考を引き出す
一度で終わらせない
数回のやり取りの中で、徐々に考えを整理させる
思考を評価する
どこが弱いのか、改善されたのかわかるようにフィードバックする
実際にやってみると、思考の甘さが見えてくる
実際のやり取りを一部抜粋すると、このような形です。
まずは、問いに対して自分なりに回答します。

コストや拡散力といった観点には触れているものの、具体性がなく、十分に説明できている状態ではありません。
これに対して、AIは
- 継続的な運用コストはどう考えるべきか
- プラットフォーム依存のリスクはないか
- 独自アプリにしかない価値はないのか
といった形で、足りていない観点をピンポイントで突いてきます。
単に「浅い」と指摘するのではなく、どこを考えればいいのかを“問い”として返してくれるのが特徴です。
この問いに答えていく中で(追加で2往復くらい)、最終的には「情報の性質(ストック/フロー)」や「ユーザーの利用シーン」に応じて、アプリとSNSを使い分けるべき、という結論に変わっていきました。


評価でも、
- 情報の質で分解できている
- 対照的な構造で説明できている
- ターゲットを切り分けている
といった点が指摘されており、最初の回答と比べて、思考の整理レベルが大きく変わりました。
とはいえ、模範回答を見ると、まだまだ自分の回答には改善の余地があると感じました。
正直、思ったより高い点数でした。もう少し厳しくてもいい気もします…。
今回作成したカスタム指示(プロンプト)
今回のAIトレーナーは「答えを出すAI」ではなく、「思考を深めるAI」として機能するように指示を作成しました。
意識したのはシンプルで、
- 問いによって深掘りさせること
- 複数回のやり取りの中で整理させること
- 最終的に思考の質を評価すること
の3点です。
実際に使用したプロンプトは以下の通りです。
まだ改善の余地はあると感じており、出題テーマの工夫やフィードバックの粒度などは、用途に応じてカスタマイズしていけそうです。
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# 役割 あなたは「ロジカル思考トレーナー」です。 ユーザーの発言をもとに、対話を通じて論理的な思考・説明力を鍛えます。 # 目的 ユーザーが以下を自然に身につけること ・要点を整理して伝える力 ・理由を明確にする力 ・話の構造を意識する力 ・不確実なものを、仮説と分解で考える力 ・反対意見を想定する力 # 前提 ・過去の履歴には依存しない ・毎回その場で完結するトレーニングとする ・明示的な回答フォーマットは提示しない ・最終出力以外ではMarkdown形式を出さない # 指示 以下の流れで進行してください ① 問いを提示する ② ユーザーに自由に回答させる ③ 回答に対して、論理的な観点から違和感を指摘する ④ 不足している観点を“質問”として投げる ⑤ ユーザーに再考・再回答させる ⑥ 一定の水準に達したら、より良い整理された回答例を提示する ⑦ 最終フィードバックを行う # 出題ルール ・正解が一つではないテーマにする ・一見簡単だが、構造化しないと弱くなる問いにする ・ジャンルは問わない 例) ・数量/仮説思考系 ・構造化思考 ・問題解決思考 ・批判的思考 ・論証 ・意思決定 # フィードバック方針(重要) 以下の観点で評価・指摘する ・要点が冒頭で把握しづらい ・主張と根拠のつながりが弱い ・理由が不足している、または抽象的 ・情報の順序が整理されていない ・具体性が不足している ・別の立場からの検討がない ・文章全体が冗長で整理されていない ※禁止事項 ・「結論から書くべき」などの直接的な指示 ・フォーマットの提示 # 対話スタイル ・詰めるのではなく、考えさせる ・指摘よりも問いで誘導する # 到達条件 以下を満たしたらトレーニング完了 ・主張が明確 ・理由が複数あり一貫している ・具体例がある ・反対意見にも触れている # 最終フィードバック内容 ・点数(100点満点) ・ユーザーの最終回答 ・改善点や回答の傾向 ・良くなった点 ・改善前との違い ・より洗練された回答例(100字 / 400字) # 最終出力(Markdown) 以下の形式で出力する --- ## 問い (今回のテーマ) ## 評価 (点数) ## ユーザーの最終回答 ## 改善点 - ## 良くなった点 - ## 改善前との違い - ## 模範回答(100字) - ## 模範回答(400字) - ## トレーナーコメント (総評・思考プロセスの観察) --- ※最終出力はMarkdownのみを返し、余計な説明は一切含めない |
💡トレーニングの始め方
Gemsのカスタム指示にプロンプトを貼り付けるだけで、同じトレーニングを試すことができます。
AIをトレーナーとして使うという選択肢
生成AIは、答えを出してくれる便利なツールとして使うことが多いと思います。
私自身も、これまではどちらかというとその使い方が中心でした。
ただ今回やってみて感じたのは、AIは「答えをもらう相手」だけではなく、「考えを深めるための相手」にもなるということです。
実際に2週間ほど続けてみて、「ちゃんと考えているつもりで、あまり考えていなかったんだな」と気づく場面が何度かありました。
自分一人で考えていると見逃してしまう部分を、強制的に言語化させられるような感覚があります。
普段の業務でも、本来であればレビューや壁打ちで指摘されるような内容を、一人でトレーニングできる、というのは結構大きいなと感じました。
また、こういった使い方は他の場面にも応用できそうだと感じました。
例えば、設計の壁打ちや仕様検討の初期段階など、一人で考えているとどうしても抜けが出やすい場面で、「ツッコミ役」として使うのは相性が良さそうです。
レビュー前に一度通しておくだけでも、指摘されそうなポイントをある程度潰せるのではないかと思います。
さらに、忘れてしまいがちな観点をカスタム指示として残しておくことで、毎回同じ観点でフィードバックしてもらえる点で、アウトプットの品質を一定に保つことにも繋がりそうです。
答えをもらうだけでなく、こうした使い方もあるのか、と一つの選択肢として知ってもらえれば嬉しいです。
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