IoT、上から見るか?下から見るか? ~元ネットワーク屋さんの野望~

アドベントカレンダー24日目!

クリスマスイブのこの日にテックブログをお届けするのは、経営企画部 五十嵐です。普段は、経営企画、営業企画、プロモーション、新規事業、人事と色々なことをやっています。

打ち上げ花火をどこから見るか?という映画があるそうですが、本日、私はIoTを上から見たり、下から見たりしつつ、前職の経験を交えながら色んな想いを綴ります。

〈目次〉

  • IoTを眺める前に自己紹介とエコモットへの参画動機
  • IoTを上下に分解してみることで浮かび上がってくるアイツ
  • ネットワークの現在・過去・未来♪
  • IoTに適応したモバイルサービスと注目される「LPWA」
  • 元ネットワーク屋さんの野望

IoTを眺める前に自己紹介とエコモットへの参画動機

本題に入る前に少し自己紹介をさせていただきます。

私がエコモットに参画したのは、昨年の10月からです。

前職は「固定」通信キャリアで20年強勤務していました。前職への入社が1996年で、前年にマイクロソフト社がWindows95を世に出し、インターネットが普及し始めた頃です。

インターネットのアクセス回線はISDN(速度は64k!)が提供されていましたが、常時接続ではなく従量制でした。常時接続のフレッツISDNの受付が始まった時は受付が殺到し、受付センターに支援で1週間くらい事務処理を手伝ったこともありました。

その後、ADSL、光回線が提供され、アクセス回線の速度はベストエフォートですがギガまでたどり着きました。

新入社員として入社以来、インターネットが世の中に普及、浸透し、社会のダイナミズムを通信キャリアに身を置きながら体験できたのは、非常に貴重な経験であり、やりがいも大いにありました。

出展:総務省 平成21年版 情報通信白書「インターネットの利用者数及び人口普及率の推移」→あっという間に普及しましたね。最早、社会インフラです。

 

しかし、数年前から第四次産業革命の大きな要素としてIoTが大きく取り上げられた際に、ぜひ自分もこの流れに身を置きたいと年甲斐もなくドキドキしました。

出展:経済産業省 新産業構造ビジョン(2017年5月)より抜粋→IoTは日本産業成長の最大の鍵ですよ!ドキドキしますね。

 

当時はIoTにどう関わるのか会社としての方針が対外的に掲げられておらず、また大企業が故にIoTに関連する職場で働けるかどうかは人事の運みたいなところもあり、IoTに携わるのは難しいなぁ…。と悶々としていた際に、元々縁があった代表の入澤に声を掛けられ、思い切って参画した次第です。

人生で二度もITが社会を大きく変える時代のうねりの渦中に身を置けることは幸せなことです。しかし、11年目のエコモットでは新参者ですので、これからエコモットの成長に大きく貢献していこうと、ブログを書きながら改めて決意した次第です。

 

IoTを上下に分解してみることで浮かび上がってくるアイツ

年を取ると昔話と前置きが長くなってしまいいけません。高田純次さんであれば絶対にしないことです(笑)

さて、ここから本題です。

IoTは、「モノのインターネット」と訳されますが、もう少し詳しく説明するとこんな感じになるでしょうか。

IoTは、あらゆる「モノ・コト」から、取りたいデータに応じたデータに応じたセンサーを選択し、データ量、設置場所に応じた回線、通信デバイスを選択し、データをクラウドに上げ、データを分析したり、予測したり、付加価値を付けたりしてフィードバックすることで、様々な社会課題を解決するためのツール。

というように、IoTをソリューションとして提供するには色々なモノを用意しなければいけません。だからこそ、IoTを提供するのは難しく、面白味があります。

文字で書くと分かったような、分からないよう感じですので、分かりやすいイメージ図を見ていただきます。

出展:総務省 平成21年版 情報通信白書「IoT・ビッグデータ・AIが創造する新たな価値」

 

この図では、我々が生活する空間を「現実空間」、インターネットやクラウドが存在する空間を「サイバー空間」と定義しています。この定義に基づきIoTに必要なモノを整理してみましょう。

 ・現実空間:センサー、通信デバイス

 ・サイバー空間:クラウド、アプリケーション

ん、何かひとつ足りないモノがあります。

そう、「ネットワーク」です。「現実空間」と「サイバー空間」を結び付けるのがネットワークです。なんかとても重要で愛おしい存在のような気がしますね。

IoTは色々な要素が組み合わされて初めて機能するものですから何一つ欠けてもいけませんが、「ネットワーク」を愛おしく見えてしまうのは、私が「元ネットワーク屋さん」だからです。

建前上は全て重要ですが、カミングアウトすると僕の心のベストテン第1位は常に「ネットワーク」です。

 

ネットワークの現在・過去・未来♪

さて、私のネットワークへの愛情を吐露したところで、ネット―ワークの種類とこれからについて説明します。

ネットワークは大きく固定とモバイルに大きく分けることができます。データ通信に利用される主だった回線はこんなところでしょうか。

 ・固定回線:専用線、ISDN、ADSL、光回線、IP-VPN、広域イーサネット

 ・モバイル回線:3G、4G(LTE)

「驕る平家は久しからず」といったわけではありませんが、この中で廃止されるサービスも残念ながらあります。

ISDN、ADSLは、廃止されることが発表されていますし、専用線、3Gもそのうち廃止になるのでしょう…。寂しさはありますが、大きく普及しているサービスが廃止されるということはビジネスチャンスでもあります。まさに戦国時代ですね。

逆に技術の進展により、新たなサービスも提供されます。

モバイル回線の5Gは既に実証実験はされており、2020年の東京オリンピックまでに商用サービスが開始されると言われています。

5Gはその速度だけに注目されがちですが、大量端末接続、超低遅延・超高信頼性という機能により、IoT機器の遠隔設定、端末制御やナローバンドサービスの提供が実現し、IoTがより加速度的に浸透すると言われていますが、これらの機能は2022年以降の提供開始になるようです。

今までのモバイルの進化は、ザックリと言うと「ただひたすら速く!」という感じですが、5Gは「速さ」と共に「技」も併せ持った規格です。NGNが提供される前のドキドキ感を思い出します。

 

IoTに適応したモバイルサービスと注目される「LPWA」

先ほど、5GのIoTに関連する機能は2022年以降の提供と書き、少々ガッカリ感を与えてしまったかもしれませんが、そこで逆に注目されるのが「LPWA」です。

「LPWA」とはLow Power Wide Areaの略であり、文字通り低消費電力で広いエリアをカバーできる技術です。

低消費電力は、乾電池で1年以上もつので充電するための電力ケーブル、ソーラーパネルやバッテリーのことを考慮しなくても良くなります。また、ワイドエリアは、基地局一つで数キロ単位をカバーすることができます。

一方で、通信できるデータ量は少なく、速度も遅くなりますが、逆にその分低価格で提供されるため、IoT普及の起爆剤になるのではと言われています。

 

また、LPWAにも色々な規格があり、既に提供されている「SIGFOX」、「LoRaWAN」といったサービスもありますが、通信キャリアが提供するLPWAの本命と言われている「セルラーLPWA」もいよいよ来年の1月にKDDIより商用サービスがスタートします。

来年は、KDDI以外の通信キャリアも追随するでしょうし、セルラーLPWAの様々な規格も提供開始となると思われます。

 

元ネットワーク屋さんの野望

と、ここまで思い出話しや、IoTを上下に分けてみたり、ネットワークのアレコレについて書いてきましたが、制度に縛られている(「制度に守れていた」ことも多々あります)固定通信キャリアから、何でも自由にできるエコモットに来たのですから、IoTを普及促進させることで社会課題を解決するということにチャレンジします。

私は経営企画部長という立場上、色々な角度からエコモットをより成長させることがミッションです。

しかし、「元ネットワーク屋さん」として、今後も「ネットワーク」を愛し続け、新たに提供される数多くネットワークサービスをエコモットのサービスに組み込んでいくことを「裏ミッション」とすることをこっそりと宣言いたします。

「固定」通信キャリアに身を置いていた身としてはモバイルネットワークを提供できるだけでドキドキしますが、それで満足してはいけません。エコモットならではのエッジの効いたIoTソリューションを提供するために「ネットワーク屋さん」の気概を持ち続けます。

頑張ります!