HACCP対応に欠かせない「温度管理」をIoTでスマート化


IoTソリューション本部 営業企画グループの金子です。
前回記事は2022年から1,269日振りの投稿でしたが、わずか7日で再登場です!

今回は前記事でお伝えした通り食品業界でいま重要視されているHACCP(ハサップ)についてお話しします。
現場の皆さんの「日々の温度チェックが大変」「記録の保管が面倒」という悩みを、私たちのIoT技術でどう解決できるのか、具体的にご紹介します。

HACCPとは?すべての食品事業者に求められる衛生管理の新常識

HACCPとは「Hazard Analysis Critical Control Point(危害要因分析・重要管理点)」の略称で、
食品の安全を脅かす要因を事前に分析し、そのなかで重要な工程を継続的に管理・記録することで食の安全を守る仕組みです。
2021年6月1日から、すべての食品等事業者に対してHACCPに沿った衛生管理が義務化されています。

事業者規模に応じて「HACCPに基づく衛生管理」または「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」に基づき、食品等事業者自らが使用する原材料や製造方法等に応じ、計画を作成し、管理を行っていく必要があります。
この行動計画と管理は清掃や洗浄、消毒といった食品の取り扱いや、実施状況の記録・保持、衛生管理計画や手順書の定期的な効果測定など多岐に渡る衛生管理が求められます。

HACCPの導入効果

下の表は公益社団法人日本食品衛生協会の調査(令和4年度)*1に基づき作成した、HACCPの導入にあたり実際に得られた効果を常用雇用者の人数ごとにまとめた表です。

HACCPを導入したことで品質・安全性の向上や従業員の意識の向上、管理者・経営者の意識の向上といった効果を多くの企業が実感しています。
直接的に売り上げに寄与する効果は大きくないものの、従業員や管理者等の意識が向上する事により、安心・安全な食品製造が可能となり、その結果、製品や企業のブランド力が向上や衛生的な問題の減少による経済的打撃の減少などからサステナブル経営を可能とする効果が見込めるのではないかと推測できます。

 

中小規模事業者では「導入負担」が大きな課題に

製造・加工業の約76.7%が「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」または「HACCPに基づく衛生管理」を基にした衛生管理を導入済みです。

一方で、従業員20名以下の事業者の約2割が「準備中」と回答しており、大企業と比べて導入が進んでいないことが分かります。

その要因としては専門スタッフの不足と実務負担にあります。
日々の生産業務をこなしながら衛生管理計画の策定・記録・保管まで対応するのは現場にとって大きな負担となります。そのため導入を躊躇してしまう、優先順位が下がってしまうといったことに繋がっているのだと考えられます。

 

「おんどロイド」で温度管理を自動化

HACCP運用で求められていることに冷蔵庫・冷凍庫などの温度管理があります。
通常、作業者が1日数回温度を確認して帳票に記入し、記録を1年以上保管する必要があります。
この作業は手間がかかるうえ、点検漏れや記入ミス、帳票の汚損などのリスクも伴います。

そこで活躍するのが、前回ご紹介したIoT温湿度管理システム「おんどロイド」です!
温度計測が必要な機器にセンサーを取り付けるだけで、一定間隔で自動計測しクラウドに送信。
計測データはクラウド上に保存されるため、紙の保管スペースも不要です。

仮に点検対象が5台あり、1日3回の記録を行う場合、おんどロイド導入により年間約68時間(約8.5人日)もの作業時間を削減できます。


空いた時間を別の高付加価値業務に充てられますし、常時計測による「点検忘れゼロ」「改ざん防止」「異常時アラート」など、HACCP運用の信頼性も高まります。

中小事業者でも“手軽にHACCP対応”を実現・体験

検索機能・帳票出力・温度逸脱時の通知など、HACCP対応だけに留まらない様々な機能をご提供可能です。
さらに、センサーやRFID連携による作業エビデンスの自動取得、機器の電流・振動監視による故障予兆検知など、IoTならではの拡張も可能です。

HACCP対応に課題を感じている企業様は、まずはお気軽にご相談ください。
IoTインテグレーションを専業としている弊社は導入企業に合わせたスケールでの製品提供も可能な点が強みですので、ご興味があれば是非お問合せ頂けると嬉しいです。

*1「令和4年度 食品衛生法改正事項実態把握等事業 HACCPの実施・導入状況等調査報告書」