どこでも瞬時に『伝える』システムで事故防止対策!

みなさん、こんにちは
製品開発部の細川です。

私の所属する部署は土木・建設現場向けの生産性・安全性向上を実現する
システム開発の依頼を受けることが多いです。

開発案件の中には、センサーやAIカメラ等で『何か』を検知した後に
離れた場所にある表示機や警報器に『伝える』機能を求められます。

弊社の既存システムではクラウドやメール等を経由して
『伝える』処理を行いますが、若干遅延があり
現場によっては、瞬時に『伝える』処理を要求されることがあります。

端末同士を有線で繋ぐと瞬時に『伝える』機能は実現できるのですが
現場によっては、有線を敷設することができない場所もあるため
無線が必要になるケースがあります。

今回は、新製品の「クラウドロガーLTE(Cat1)」
dlx410
を活用して有線を敷設しなくても、LTE回線経由で
どこでも瞬時に『伝える』機能を実現した案件をご紹介いたします。

課題と解決策

課題

今回の現場の課題は次の4点

・工事現場近くに1車線道路の山道があり
工事車両と地域住民の車両が鉢合わせになることがある。

・道幅が狭く、山道のため見通しも悪い。

・LTE回線は繋がるが、電源や光回線は無い。

・有線の敷設は不可。

解決策

解決策として以下のシステムを構築することになりました。

・山道の上り(A地点)、下り(B地点)の2地点に車両検知センサーを設置し
電源はソーラーバッテリーを利用

・車両を検知した場合に、もう片方の設置場所に車両を検知した事を
LTE回線で伝達

・パトランプの鳴動およびLED表示板の文字表示により
対向車が接近していることを注意喚起

ハードウェア構成

以下の①~⑦が2セット分、A地点とB地点の2か所に設置されます。

①マイクロ波センサー
②車両検知情報伝送盤(※1)
③車両検知情報伝送盤用ソーラーバッテリー
④回転灯制御盤(※1)
⑤パトランプ
トラボード(LED文字表示)
⑦回転灯制御盤用ソーラーバッテリー

※1 クラウドロガーLTE(Cat1)搭載

処理の流れ(A地点→B地点)

1.A地点の①マイクロ波センサーで通行する車両を検知

2.A地点の②車両検知情報伝送盤から離れた場所にある
B地点の④回転灯制御盤へ検知情報をLTE回線経由で送信

3.B地点の④回転灯制御盤が⑤パトランプ鳴動および
⑥トラボードに文字(車両接近中)を表示

※B地点→A地点も同様の処理の流れとなります。

system00

基本的な機能は以下の記事でご紹介した無線タイプのカークルと同様です。

違いは、見通しが悪くてもLTE回線が繋がる場所であれば最大通信距離の制限がなく
バッテリーの電圧状態や車両通過時の回数をクラウド上で確認
することができます。

【GR】カスタマイズカークルで車両の接近を数百メートル先から検知!

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LTE回線による接点伝送システム

クラウドロガーLTE(Cat1)の基本機能

クラウドロガーLTE(Cat1)(以下、ロガーLTE)は、内蔵のLTE Cat.1通信モジュールを介して
クラウドと連携することで、センサーや計測装置から収集したデータをクラウド上で
管理できる機能を備えています。

今回の現場に導入されたロガーLTEは制御盤の入力電圧を10分毎にクラウドへ常時送信します。

ロガーLTEは検知センサー等からトリガー(接点入力)を受けたタイミングで
接点入力時刻の情報をクラウドに送信し、同時にリレー(接点出力)処理を行います。

※今回の現場では自端末のリレー処理は未使用でしたが、通常は有線で繋がった
パトランプなどを鳴動する場合に利用します。

さらに、そのリレー(接点出力)情報をLTE回線経由で別のロガーLTEに
送信する機能も備わっています。

※今回のシステムのように離れた場所にあるパトランプなどを
制御する場合に利用します。

クラウド上のデータ

ロガーLTEから送信された接点入力のデータはクラウド上で自動的に
積算処理が行われ、通過回数(1時間毎、1日毎)を算出します。

クラウド上では最新の情報がリアルタイムに更新されるため
現地から離れた場所でもシステムの稼働状態を把握することが可能です。

また、通過回数や電圧情報など、すべてのデータはグラフ化および
CSVのダウンロードができます。

グラフやCSVを活用することにより、時間帯別の通行状態も把握することが可能になります。

項目 内容
通過回数(1時間) 接点入力回数の1時間積算値
通過回数(1日) 接点入力回数の24時間積算値

接点入力時刻の情報

『1』のデータが接点入力時の時刻を示しています。
fastio00

通過回数(1時間)

fastio01

通過回数(1日)

fastio02

電圧状態

ソーラーパネルの充電状況が見える化されています。
fastio03

おわりに

最後まで閲覧ありがとうございます。

危険を予知する優れたAIシステムを構築しても、その情報を現場にいる人々に
1秒でも早く伝える手段は必要です。

「クラウドロガーLTE(Cat1)」を活用して、瞬時に『伝える』ことで
現場にいる人々の注意を喚起し、少しでも事故防止に貢献できれば幸いです。

 
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