弊社ではモバイル回線とクラウドロガーを組み合わせて様々なサービスを提供しております。
モバイル回線を使用することで、遠隔に設置したクラウドロガーのデータをリアルタイムで取得することが可能となります。
一例として見通しの悪い道路において、対向車両の通過を事前に検知するシステムがあります。
どこでも瞬時に『伝える』システムで事故防止対策!
本ブログでは車両検知の別の一例として、
クラウドロガーLTE(Cat1)
とマイクロ波センサを組み合わせた車速計測システムをご紹介します。
システム概要
本システムでは、通過中の車両の速度を対向端末へ即時に通知し、対向端末側でサイネージへの表示やパトランプ鳴動を行うことで、車両通過の注意喚起を実現します。
例えば工事現場入口から道路へと進出する際に、現在道路を通過中の車両台数や速度、工事現場入口を通過するタイミングを把握することで、スムーズかつ安全に車両を発信させることが可能となります。
また、トンネルのような道路を見渡しづらい環境でも、本システムをトンネル入口に設置することで、車両がトンネルから出てくるタイミングを確認することができます。
システム概要は以下のようになります。
①マイクロ波センサにより通過車両を検知
②クラウドロガーはマイクロ波センサから通過車両の速度を取得
③取得した車速をLTE回線経由で対向のクラウドロガーへ転送
④対向側のサイネージに各車両の速度と通過までの予測時間を表示
予測時間が一定以下でパトランプを鳴動
⑤予測時間の算出に必要な端末間の距離、パトランプの鳴動時間等は
弊社クラウドシステム(FASTIO)から遠隔で設定可能
①について
マイクロ波センサは車両ごとの速度を計測します。
使用したマイクロ波センサは車間を検知できるため、複数の車両が通過した場合でもそれぞれの車両の速度を区別することが可能です。
マイクロ波センサは周囲の物体等によって計測精度が変化しますが、
・見通しの良い道路において50km/h程度の速度で走行する車両
・10m程度の車間距離
という条件で各車両の速度を計測することができました。
ただし、車間距離が短い場合や車両の形状によっては検知に失敗する場合もあるので、各環境において調整が必要となります。
②について
マイクロ波センサから取得した速度データを弊社ロガーで取得し、対向端末への転送用フォーマットに変更等を行います。
③について
LTE回線を経由することでリアルタイムでデータの転送を行うことができます。
通信回線の状況等によりますが、弊社で確認時は車両通過から対向端末への転送にかかる時間は概ね1~2秒程度に収まっており、即時性の高いシステムとなっています。
④について
対向端末はLTE回線経由で速度データを受信、端末間の距離から各車両の通過予測時間を算出した上で、それらをサイネージに表示します。
また、通過予測時間を表示するだけでなく、一定時間未満になった場合により注意を促すためにパトランプの鳴動も行っています。
本システムではサイネージへのHDMI出力をGフェイスSTBを経由して行いました。
https://www.gembaroid.jp/product/gface.html
GフェイスSTBは有線LANや無線LAN、LTE通信の機能を搭載しており、Gフェイスクラウドに登録されたコンテンツにアクセスし、単独でサイネージへ出力することができる端末です。
クラウドロガー自体はHDMIの出力機能は搭載していませんが、GフェイスSTBと有線LAN接続することで様々な情報をHDMI出力することが可能となります。
これまではクラウドロガーのデータはクラウド経由で閲覧することが通常でしたが、GフェイスSTBを応用することで、クラウドロガーの機能はそのままに、 現場のサイネージに直接表示できる等システム運用の幅が広がりました。
⑤について
本システムでは端末間の距離をクラウドロガーに設定することにより、転送された車速データから通過予測時間を算出を行います。
また、パトランプの鳴動タイミングや、鳴動時間等も設定が可能です。
通常は弊社から出荷時に現場に合わせてこれらの設定を行いますが、出荷後も弊社クラウドシステムのFASTIO経由で遠隔で変更を行うことも可能です。
例えば現場の状況によってはセンサやサイネージ位置も変更するケースがありますが、そのような場合に簡単に設定を変更することができます。
今後の展望
本システムでは固定で設置したサイネージ上に各種情報を表示しましたが、LTE回線を経由してスマートフォンやタブレットからクラウドロガーにアクセスし、ブラウザ上で情報を閲覧するといった応用例も考えられます。
少人数で作業を行うような現場であれば、より手軽に確認できるようになると考えています。
おわりに
本ブログではマイクロ波センサとクラウドロガーを組み合わせた車速計測システムについてご紹介しました。
弊社のクラウドロガーはLAN、接点入力、RS232C等のインターフェースを搭載していますので、様々なケースにおいて活用することが可能です。
今後もクラウドロガーを利用して様々な案件に貢献してきたいと思います。