札幌・東京のIoTエンジニアによる

技術や働き方についてのブログ

ベイズ最適化とアクティブラーニング ― インテリジェントな実験計画

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こんにちは!AX研究室のロベルト・フバチです。
今回は、機械学習(Machine Learning)を活用した実験計画のテーマについて少し紹介したいと思います。

科学や技術の発展により、私たちは興味のある現象やプロセスをより深く理解するために、ますます多くの実験を行う必要があります。実験の結果には、その実験条件を決めるさまざまな要因(因子)が影響します。たとえば、化学反応の進行には次のようなパラメータが関係します:圧力, 温度, 触媒の種類, 物質の濃度, 撹拌速度, 溶媒の種類, 固体物質の粒度. つまり、化学反応を調べる場合でも、結果に影響を与える要因は7つもあります。それぞれの要因について「低い」「高い」の2つの条件だけを試すとしても、組み合わせは 2⁷ = 128 通り、つまり128回の実験が必要になります。このような実験計画は、時間もコストも非常にかかります。
そこで、研究者たちはより少ない実験回数で信頼できる知見を得るための方法を開発しました。その代表例が「品質工学(田口方法)」です。この方法を使うと、7つの因子それぞれに2つの水準(例:低温/高温)がある場合でも、128回ではなくわずか8回の実験で十分な情報を得ることができます。このように、うまく設計された実験計画は、時間と材料を節約し、発見を加速させることができます。
品質工学は統計に基づいた伝統的な実験計画法ですが、近年では機械学習を用いた新しいアプローチも広く使われています。その一つが「アクティブラーニング(Active Learning)」です。これは、コンピュータが自ら「どの実験を追加で行えば効率よく学習できるか」を判断してくれる手法です。そして、このアクティブラーニングの一種として「ベイズ最適化(Bayesian Optimization)」があります。ベイズ最適化では、コンピュータが過去の実験結果から学び、次に試すべき最も有望な条件を自動的に提案してくれます。
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SORACOM Fluxで実現!AI画像検知&メール通知システム

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はじめまして!クラウドソリューション開発部の内間木です!


今回は、SORACOM Fluxというサービスを使用して「カメラで特定物体を検知し、メールで即時通知」というシステムを簡単に手順を追って作成していきます。

このブログは、株式会社ソラコム様が提供する「SORACOM Flux」の強力な機能と、その具体的な活用方法についてご紹介します。
SORACOM Fluxを初めて使う方や興味を持たれた方に向けて作成しました!
本ブログを通して、SORACOM Fluxの概要や具体的なシステムの構築方法を習得しましょう!
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EVMグラフでプロジェクトの遅延傾向を「線」で把握する

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お疲れ様です。SJC共同開発推進室の境田です。

プロジェクトの進捗管理、どのように行っていますか?

「今週は5工数分の遅れです」—— この報告は重要ですが、「先週と比べて、遅れは拡大しているのか? 縮小しているのか?」という傾向までは分かりません。

以前、私はPM研修で「EVM(アーンスト・バリュー・マネジメント)」という強力な進捗管理手法を学びました。

「よし、WBSにEVMを反映させよう!」と思い立って調べてみたものの、実際のWBSに組み込むための詳細なテンプレートや関数設定まで踏み込んだ記事は、意外と見つかりません。

そこで本記事では、PM研修の学びを実践に移すべく、自力で構築したEVM管理シートの作成手順を公開します。
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新人エンジニアが実感したSpring Bootの魅力とServletとの比較

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こんにちは!SJC共同開発推進室の中谷です!

今年4月に入社し、最初の3か月間は社外研修でJavaを使ったWeb開発の基礎を学びました。
研修ではServletを中心に学習しましたが、現場復帰後はSpring Bootを使ったWebアプリ開発に取り組んでいます。

最初は戸惑いもありましたが、使っていくうちに「これは便利だな」と感じる場面が増えてきました。

この記事では、私が体験したSpring Bootの便利なところを研修時代に触ったServletと比較しながら紹介していきます。これからSpring Bootに触れる方や、私と同じような境遇の方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです!

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スマートホームを次のレベルへ:Home Assistant のご紹介(3)

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こんにちは!
SJC共同開発推進室の鈴木です。

前々回の記事前回の記事とHome Assistantの記事を投稿させていただきました。今回も引き続き、Home Assistantをテーマに、その活用事例をご紹介します。

今回は、「農業分野」に焦点を当て、ビニールハウスを例に、温度と湿度の実測データから「飽差」という、空気中に「あとどれだけ水蒸気を含むことができるか」を表す値を求めるテンプレートセンサというものを作成し、Home Assistantで「仮想データ項目」として扱う方法をご紹介します。
今回の流れを通して、農業分野へのIoTの活用をご紹介するとともに、Home Assistant上での新しいデータ項目作成の考え方などもご紹介できればと思います。

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「チ。」的好奇心は止められない

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AX研究室の庄内です。
先日久々にAI関連の展示会をのぞいたら、AIエージェント花盛りといった状況でした。
「AIエージェント」とは、大規模言語モデル(LLM)とシステムを結び付けアクションにつなげる機能の総称です。実際使うと便利だし、ますます普及するハズです。
今は人間がAIエージェントに指示を出していますが、来年にはAIエージェントが別のAIエージェントを動かす世の中が待っているそうで、さらなる効率化につながっていくことが想定されています。
そんな中、「超知能人工知能(AI)の開発禁止を求める声明」のニュースが世界を駆け巡りました[1]。昨年のノーベル賞受賞者ヒントン氏も署名したとか・・・    
「禁止すべきか」についてはわかりませんが、個人的には、「開発は止まらないし、利用は加速する」と思っています。     
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生成AIを“宝の持ち腐れ”にしないために──公的支援の拡充と現場のギャップ

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2025年7月、経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、生成AIの開発力強化を目的としたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」において、基盤モデル開発のための計算資源提供支援を行うテーマを24件採択したと発表しました。  
 
このように国家レベルで生成AI技術の支援・投資を推し進めており、AI開発の裾野は急速に広がっています。
しかし一方で、中小企業の現場からは依然として「AIで何ができるのかがわからない」「導入しても成果につながらない」「どう使えばいいかわからない」といった声が多く聞かれます。
国全体でAI推進の機運が高まっている中、現場では活用が進まないのは何故なのでしょうか。
 
今回は公的支援と現場のギャップを踏まえながら、中小企業が生成AIを有効活用するためのポイントを整理します。

中小企業のDXが進まない理由と成功するIT導入のポイント

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DXが“理想通りに進まない”理由

補助金を使ってITツールを導入したのに、「思ったほど業務が楽にならない」「結局使われなくなってしまった」——そんな声をよく耳にします。
IoT、AI、ブロックチェーン、XR、XTECH等々のテクノロジーは急速に進化し、私たちの生活を便利にしてくれていますが、中小企業の現場ではその恩恵を十分に享受できていないのが実情です。

本記事はエコモットで開発・営業を経験した私個人の考え・見解に基づきまとめたものです。

なぜ、多くの企業で“理想のDX”が実現しないのでしょうか。
今回はその理想と現実のギャップがどうして生まれるのか、中小企業白書2025年版のデータをもとに段階ごとの課題と解決のヒントを整理します。

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HACCP対応に欠かせない「温度管理」をIoTでスマート化

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IoTソリューション本部 営業企画グループの金子です。
前回記事は2022年から1,269日振りの投稿でしたが、わずか7日で再登場です!

今回は前記事でお伝えした通り食品業界でいま重要視されているHACCP(ハサップ)についてお話しします。
現場の皆さんの「日々の温度チェックが大変」「記録の保管が面倒」という悩みを、私たちのIoT技術でどう解決できるのか、具体的にご紹介します。

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